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2019.12.30 Monday
映画でふりかえる2019年:KUSHITANI名東店

2019年の営業も本日で終了でございます。

 

皆様今年も本当にお世話になりました!!

 

昨年辺りから目に見えて若いお客さんが増えてきたという印象でしたが、今年はさらにそれが顕著な年でした。

 

比喩的表現ではなく、お客さんのほぼ半数くらいが20代前半の若者でした。

これはもうオートバイ業界にとっては実に歓迎すべきことです。

 

しかもその若いお客さんの大半がスポーツ志向で、30年経ってようやくグルリと時代が一回転した気がしています。

ただ、それを受け入れる業界全体が80年代の焼き直しではまた先が見えてますので、そこはちゃんと考えていかないといけないですね。

 

さて。

それ以外に関しては、特にこれといって(仕事もプライベートも)トピックらしいトピックのない安定した一年でありました。

 

週に4日は自転車で通勤し、週に2回はボルダリングジムに通い、休みの日は、自転車やオートバイや鉄道に乗って旅にでかけておりましたが、僕の休日の過ごし方のほとんどは恐らく「映画観て写真撮って一杯飲んで帰ってくる」というパターンかもしれません。

 

今年劇場で鑑賞した映画は数えてみたら41本でした。

 

例年よりもちょっとだけ多かったかもしれません。

 

素晴らしい映画もあれば、観に来たことを心の底から後悔した映画もありました(笑)

 

そんな中でも印象に残った映画をご紹介いたしますね。

 

基本的に観た順番にご紹介します。

 

 

 ★ナチス第三の男★

 

 

ナチスの高官ハイドリヒ暗殺事件を描いた実話ベースの戦争映画です。

この事件を描いた映画は僕が知る限り三作品あります。

 

最初は恐らく70年代に映画化された「暁の7人」ではないかと思います。

 

この映画、割と扱いはB級で、土曜日の午後とかによくTVで放映していました。

しかし中学生で初めてこの映画を観た僕はかなりの衝撃を受けました。

 

それまで第二次大戦を描いた戦争映画というのは、たいてい連合軍が正義の味方でナチスは悪の権化というステロタイプな描き方主流で、基本ナチスの弾は連合軍の主要キャストには当たらないようになっていたのです(笑)

(代表的なのは「コンバット!」とかその辺)

 

ところがこの「暁の7人」は、ナチスに徹底的に追われます。

追い込まれた末の切ない裏切りもあります。

そして一発大逆転もありません。

 

息が詰まるような暗殺計画。ヨーロッパの濡れた石畳。冷酷なまでの結末。

どれもこれも僕がそれまで知っていた戦争映画とは違っていました。

 

これほどの名作があまり評価されず、DVD化もほとんどされないまま埋もれていくのかと思っておりましたら、21世紀になって2度もリメイクされて日の目を見ました。

 

それぞれの作品の切り口の違いはありますが、僕はやっぱり「暁の7人」が頭一つ飛び抜けてると思っています。

 

 

 ★希望の灯り★

 

 

ベルリンの壁崩壊後、旧東ドイツ圏の住民は、環境の激変と西ドイツ側との格差に晒されました。

そんな中で、懸命に生きる市井の人々の小さな暮らしを描いた佳作です。

 

けっして共産党の独裁政権をよしとするわけではないけれど、資本主義陣営に組み込まれれば無条件に幸せになれるわけでもない。

 

そんな報われなさを感じながらも、人々は仲間を大切にし、淡い恋をし、日々をなんとか暮らしている彼らへの限りなく優しい視点で描かれた映画です。

 

基本的に僕はこういう小さな映画が大好きです。

 

 

 ★新聞記者★

 

 

ある意味今年最大の話題作でもあり問題作でしょう。

 

名称こそ変えていますが、実際にあった事件をモチーフとしていることは簡単に想像がつきます。

そのリアルさも然ることながら、まずもって「よく公開できたな」というのが正直な感想です。

 

そしてこれが今のこの国のリアルであり、これが国家権力というものの恐ろしさなんだということにあらためて慄然としました。

 

つい先日伊藤詩織さんの民事裁判勝訴のことが話題になりましたが、その事件も一部描かれています。

 

 

 ★長いお別れ★

 

 

レイモンドチャンドラーの名作とは関係ありません(笑)

 

恐らく誰が見ても、切なく、そして心が暖かくなる作品です。

 

家族とは何なのか?親子とは何なのか?

そんな答えが出ないことをまた再度考えさせられます。

 

 

 ★凪待ち★

 

 

これは信頼できる映画好きの友人から勧められて観たのですが、想像以上にズシンときました。

 

どうしようもなく落ちて、落ちて、人を裏切っていく自分への嫌悪感に苛まされながらもまた落ちていく男。

最後の最後で少しだけ希望が見えますが、全編やるせなさが蔓延した作品です。

 

何より香取慎吾さんの演技が素晴らしかったです。

 

 

 ★「工作 黒金星と呼ばれた男」★

 

 

これは思わぬ当たりでした!

「北朝鮮スパイもの」は僕の大好きなジャンルではあるのですが、そんな中でも後世に残る傑作なんじゃないかと思われます。

 

実在した北朝鮮に潜入した韓国側スパイを描いているだけにその緊迫感だけでも半端ないんですけど、最終的にグッときたのは、北朝鮮の高官とのある種の友情を描いているところです。

 

特にラストシーンは、「キリング・フィールド」のあの「ベンツ・イズ・NO1」の名シーンを彷彿とさせました。

 

 

  ★僕達は希望という名の列車に乗った★

 

 

1950年代の東ドイツで実際に起こった出来事をベースにしています。

1950年代。

共産主義へシンパシーを持つ世界中の若者に衝撃を与えた事件が起きます。

「ハンガリー動乱」です。

 

本来は「民衆の味方」であるはずの共産党政権が、自由を求めて蜂起した民衆を武力で弾圧したこの事件は、既存の共産主義政権への疑問を生み出すきっかけともなりました。

 

この日本でも、ハンガリー動乱とフルシチョフによるスターリン批判をきっかけに、「唯一無二の無誤謬な前衛党神話」が崩壊し、共産党に代わる「ブンド」と呼ばれる組織が若者を中心に結成され、60年安保闘争の中心勢力となりました。

 

そんな時代に、東ドイツに生きた若者が背負った過酷な運命を描いた映画です。

信念を貫くのか?将来の平穏を取るのか?

そんな引き裂かれるような心情がとても丁寧に描かれていました。

 

 

 ★フリーソロ★

 

 

僕が今年観た唯一のノンフィクションです。

 

ロッククライミングは大雑把に分類しますと、命綱で滑落の際にも安全性を確保する(それでも100%ではありません)リードクライミンフと、全く命津綱を使わない「フリークライミング」とに分けられるのですが、これはその後者。

 

ヨセミテにある900mを超す大岸壁「エル・キャピタン」に、超人的クライマーアレックス・オノルドが完全フリーで挑む姿が克明に記録されています。

 

これはもうご想像の通りですけど、完全に「落ちたら死ぬ」以外の結末がない行為です。

 

そして世界中の超人的クライマーは、必ずこういう「失敗したら死ぬ」行為に挑戦せざるを得ない人種で、結果的にやっぱりそのほとんどが死んでます(ウーリー・スティックだって死んじゃったんですから・・・)。

 

しかし彼らは好んで死に向かっているわけではけっしてなく、人一倍慎重で、臆病で、「失敗して死なないための準備」を怠りません。

そんなシーンもちゃんと描かれています。

 

それでも本当に心臓に悪い映画です。

特に少しでもクライミング経験のある人なら、恐ろしくて見ていられないシーンは一つや二つではありません。

 

実にグッタリと疲れました(笑)

 

 

 ★蜜蜂と遠雷★

 

 

もう自分でも忘却の彼方にある個人史ではあるのですが、僕は小学校6年間ピアノを習っていました。

 

僕にとってピアノを習っていたという経験は、「嫌々やらされていたことがいかに身につかないのか?」という実証実験以外には何の意味もありませんでした。

 

よって僕は一時期ピアノが大嫌いでした。

 

しかしそれでもピアノの音は好きなんです。

そしてピアニストを描いた映画も大好きなんです。

 

中盤、照らす月光の下でドビッシーを連弾するシーンが秀逸過ぎました。

 

 

 

 ★最初の晩餐★

 

 

僕ね。こういう「元々他人同士だった人々が段々家族になっていく話」にめっぽう弱いんです(笑)

 

永瀬正敏さん大好きですし。

しかし昨今の日本映画は染谷将太に頼り過ぎな気がしなくもありません。

 

 

 ★「楽園」★

 

 

作家として外れ作品が無いだけでなく、映画化された作品(「悪人」「怒り」等)がことごとく傑作揃いの吉田修一氏原作の映画化です。

 

「犯罪小説集」という短編集の中の幾つかの話を上手く結びつけて映像化されています。

 

吉田修一氏の作品らしく、重く切なくやるせない映画です。

 

原作未読で鑑賞すると「結末が分かりにくい」とか「説明不足」と感じるかもしれませんが、元々原作がそういうテイストで書かれています。

 

とてもいい映画でしたが、昨今の日本映画は綾野剛に頼り過ぎな(以下略w

 

以上が今年鑑賞した中でも特に印象深かった映画でした。

 

一応参考までに鑑賞した全作品を羅列しておきますと・・・・

 

 

(1)来る
(2)マスカレードホテル
(3)ナチス第三の男
(4)七つの会議
(5)ちいさな独裁者
(6)ディア・ハンター
(7)飛んで埼玉
(8)ギルティ
(9)ブラッククランズマン
(10)記者たち
(11)希望の灯り
(12)轢き逃げ
(13)僕たちは希望という名の列車に乗った
(14)新聞記者
(15)愛がなんだ
(16)ゴジラ
(17)長いお別れ
(18)パピヨン
(19)ザ・ファブル
(20)凪待ち
(21)工作 黒金星
(22)天気の子
(23)アルキメデスの大戦
(24)ダンスウィズミー
(25)タロウのバカ
(26)フリーソロ
(27)記憶にございません
(28)蜜蜂と遠雷
(29)最高の人生の送り方
(30)楽園
(31)ジョーカー
(32)エンデベ空港の7日間
(33)最初の晩餐
(34)スペシャルアクターズ
(35)影踏み
(36)空母いぶき
(37)ひとよ
(38)わたしは光を握っている
(39)ルパン三世 THE FIRAST
(40)ターミネーターニューフェイト

(41)閉鎖病棟

 

でした。

 

皆さんと被る作品はあったでしょうか??

 

読書はあまり進まなかった一年でしたが、そんな中でも結構素晴らしい出会いがありました。

 

 

 

村上春樹氏の「騎士団長殺し」です。

 

これ、出た時は不思議とそれほど話題になりませんでしたよね??

「色彩をもたない多崎つくる〜」や「1Q84」なんて、本屋さんがちょっとしたパニック状態なほど品薄でしたが、これに関しては普通にどこの本屋さんにも並んでいました。

 

今年文庫化されたので手に取ってみたのですが、たちまち夢中になりました。

 

全4巻からなるそこそこ長い小説だったのですが、「お願いだからもう少しこの世界にいさせて!」と願う程没頭しました。

 

村上さんの長編はほぼ全て読んでいますが、一番よかったんじゃないか?とも思ってます。

(これまでは「海辺のカフカ」が一番でした)

 

物語の構成は、これまでの村上ワールドの典型です。

ある種の焼き直し感がなくもありませんでしたが、それでも僕はこの小説が好きです。

 

簡単に言ってしまうと「希望のある『ねじまき鳥』」とでも言いましょうか?(*個人の感想ですよw)

 

恐らくこれからの人生でも折に触れ読み直す作品との出会いがあった年でした。

 

さてさて、年の終りにこんなオートバイともクシタニ製品とも関係のない話を長々書くのはどうなのよ?と思わなくもありませんがw、そこも名東店らしさ・・・ってことでひとつご理解の程お願いいたします!!

 

それでは皆様2020年もよろしくご贔屓の程お願いいたします!よいお年を〜〜〜!!

 

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